具体的な使用例
あ、その前に、ライブ情報更新しました。
では、「擬猫化(ぎみょうか)」の具体例を「擬人化」と比較しながら検討していきましょう。
まずは、「丘の上の大きな樫の樹が風に揺れる様子」を「擬人化」して表現してみます。
- 「丘の上に大きな樫の樹がある。彼は折からの風にその巨体を揺すっていた。」
…みたいなね。
では、これを「擬猫化」して表現してみましょう。
- 「丘の上に大きな樫の樹がある。彼は折からの風にその巨体を揺すっていた。」
あれ…、同じですね。
そうですね、この場合の「擬人化」「擬猫化」の表現のキモは、まず、
- 「彼は」という三人称
- 「巨体」という(人あるいは猫の特徴を表現するのに使われがちな)言葉
- 「揺する」という他動詞
の3点にあると思われます。
この3点がどのように関わって「擬人化」「擬猫化」の表現の役割を果たしているか、ということは、また別の機会に考えることにしましょう。
…ていうかだんだん飽きてきたよ。もー、ちゃっちゃっと終わらそ。この話。
では、次に、この樫の樹の幹の左右に一対の太い枝があったらどうなるでしょう。
まず「擬人化」。
- 「(前略)彼は折からの風にその太い腕を揺すっていた。」
で、「擬猫化」。
- 「(前略)彼は折からの風にその太い前肢を揺すっていた。」
ほら来た。違いが。ちょっと無理があるけど。
なるほどねー。要するに人あるいは猫に特化した表現を用いた時に「擬人化」と「擬猫化」に違いがでてくるわけですね。
あたりまえか。
いやでも、このことは明確な「擬猫化」をするためには大事ですよ。
逆に言えば猫独特の表現を用いないと「擬人化」なのか「擬猫化」なのか、それともほかの「擬〜化」なのかわからないってことですからね。
「しっぽ」とかも「擬猫化」に使えるかもしれませんね。
最後に、がらっと状況設定を変えて、はっきりした例を挙げます。
「部屋のまん中にでかいオブジェがある様子」を、
まず「擬人化」。
- 「部屋の中心に大きなオブジェがあぐらをかいていた。」
次に「擬猫化」。
- 「部屋の中心に大きなオブジェが香箱をつくっていた。」
ちなみに「香箱をつくる」は猫が腕組みをするようにしながらおなかを床につけている状態のことです。…わかりにくいか。犬でいう「伏せ」のまま腕組みをするというか…。いずれにしろ猫独特の姿勢です。表現です。
というわけで、なんかだんだん投げ遺りになってきたような感がありますが、みなさんよかったら「擬猫化」表現、使ってみてください。
そもそも自分が使わないような気もしますが…。